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おしいれのぼうけん  昨年から子どもたちの通っている小学校で本の読み聞かせボランティアをやっています。

  火曜日と金曜日の朝学習の時間(朝の20分間)を利用させていただき、1クラスに1人のボランティアが入ります。
私は仕事の都合で月に一回ほどしか本を読みに行けないのですが、毎回、どんな本を読もうかと図書館の児童書の棚の間を行ったり来たりしています。
毎回、同じクラスで読むわけではないので、同じ本を使い回してもいいとは思うのです。でも、季節や学校の行事、学年によって少し違ってくる感受性など考えると、やはりその時々に合ったものを読みたいと思ってしまいます。

ところが、つい先日は、以前お邪魔したクラスに、また同じ本を持っていくことになりました。実は、以前お邪魔したときに読み切れなかった本の続きをリクエストされてしまったのです。

その本は「おしいれのぼうけん」という絵本で、絵本といっても文章のボリュームがあります。

最初にこの本を読んだときは、時間内に読み切れず、「前半だけ読んだので、後半は自分で読んでね。」といっておいたのですが、是非とも続きを聴きたいといったリクエストをいただき、今回はお話しの後半を読みに行きました。

お話しの舞台は、保育園で、主人公は、やんちゃな2人の男の子です。2人の男の子が、いたずらをして先生に怒られ、「おしいれ」に閉じ込められてしまうところからお話しがはじまります。
真っ暗な「おしいれ」の中で起こる不思議な冒険物語。2人が一緒に体験した出来事は、夢か、現実か、それは謎です。
このお話の見どころ(聴き所?)は、なんといっても2人の男の子の心の動きです。2人のハラハラドキドキがテンポの良い文章で綴られ、読み手はストーリーにどんどん引き込まれてしまいます。また、モノクロの絵も緊張感があっていいのです。

今回、聴いてくれた子供たちも「あっ!」「あ~」などど声を上げながらお話しを楽しんでくれました。

また、実際にやんちゃな2人の男の子を育てている私にとっては、「おしいれ」の罰を与えたものの後悔をする保育園の先生の気持ちが伝わってきて、「おしいれに入れる前に話をきけば良かった」という先生のセリフを読むたびにグッときてしまいます。

子供の頃を思い返すも良し、親として読むも良しの一冊です。

童心社の「おしいれのぼうけん」特集ページは こちら です。表紙をクリックすると女優の広末涼子さんのインタビューや著者である古田足日さんと田畑精一さんの紹介などを読むことが出来ます。