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あの第三舞台が2011年11月から2012年1月にかけて復活公演『深呼吸する惑星』を上演します。でも、これが最後の公演です。『深呼吸する惑星』は、復活公演であり解散公演となりました。

第三舞台は、鴻上尚史さんが主宰する劇団です。鴻上さんが早稲田大学演劇研究会のメンバーとともに81年に旗揚げし、当時の「小劇場ブーム」の中で大人気の劇団になりました。

高校生の頃、市民劇団に入っていた私は、なんとか東京に行って第三舞台の公演を劇場で見たいと思ったものでした。結局、その頃はチケットを買うお金もなく、また買い方もわからず、ただあこがれるばかりでした。

初めて第三舞台の公演を見たのは、1989年の「ピルグリム」でした。ストーリーは忘れちゃいましたが、ものすごく感動したのを覚えてます。大学進学を機に東京へ転居し、ようやく念願が叶ったことへの感動だったかも。以来、1994年に新潟に引っ越すまで、公演があると聞けば、劇場に足を運びました。

新潟に来て、劇場も遠くなり、第三舞台への思いが薄れてきた頃、鴻上さんが10年間の劇団活動の休止を宣言したと聞きました。2001年のことでした。

今年は10年目、ふと思い出し「第三舞台」を検索してみると、なんと約束通り復活の2文字が・・・・。そして、解散の2文字も。

熱心なファンではありませんでしたが、思い出の一部に終止符が打たれると思うと寂しい限りです。

解散公演は、あの懐かしい紀伊国屋ホールに見に行きたいです。

朝日のような夕日をつれて 僕は立ち続ける
つなぎあうことも無く
流れあうことも無く
きらめく恒星のように
立ち続けることは苦しいから
立ち続けることは楽しいから
朝日のような夕日をつれて 僕はひとり
ひとりでは耐えられないから
ひとりでは何もできないから
ひとりであることを認め合うことは
たくさんの人と手をつなぐことだから
たくさんの人と手をつなぐことは
とても悲しいことだから
朝日のような夕日をつれて 冬空の流星のように
僕は ひとり

                         鴻上尚史「朝日のような夕日をつれて」より